Uberが日本で開始されないことで困る消費者以外の人
日経新聞の記事を読みました。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ14H7O_U7A610C1000000/
記事をまとめると
・Uberの勢いがすごい
・先進国でも新興国でも流行っている
・自動車業界やIT業界の巨人達を巻き込みUber経済圏が出来ている
・でも、日本はタクシー業界の強い反対で(ほぼ)何も動いていない
ということです。
私はアメリカに住んでいますのでUberは当たり前の様に使います。
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さてUberはとても便利です。
いつでもどこでも呼びたい時に呼べて、乗った分だけ支払います。
自動車の維持費はかからないし、乗り換え案内も不要です。
そして何より安いのです。 家族3人4人で乗れば、公共交通機関よりも安く済むこともたくさん有るでしょう。
と、こんなに便利なUber。とにかく消費者は大大満足なサービスでして、タクシーなんかいらないと、殆どの人が思っています。
アメリカ人が自家用車に乗らなくなるのも時間の問題では?と思ってしまうほどの革命が起きています。
「Uberが使えない日本は、なんて消費者に優しくない国なんだ!」
その気持ち、よーくわかります。
しかし、消費者以外でも、というよりも誰よりもUberが日本で始まらないことで困る人達がいます。
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アメリカで時々聞くのが、Uberがあるから自家用車はいらない。という人たちです。
確かにそういう流れは今後加速すると思いますが、自家用車を持つ人は一定層いる気がします。自家用車でなくてもレンタカーでもそうですが、自分で運転してどこかへ出かけるという行為はすぐにはなくならないでしょう。
しかし、選ばれる車はドンドン変わっていくと私は思っています。
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ある日、新型プリウスのUberの運転手に、「この車新車?」と話しかけました。
彼は、古いFordから、プリウスに乗り換えたそうです。
彼いわく、燃費がよく、故障が少なく、安い車をつかってUberをやるのが大事ということです。なのでプリウスに買い換えるコストはすぐにUberでペイできると言っていました。
車はUberに登録した運転手が所有しています。
ガソリン代や車の保険や修理費もドライバー負担。ならば乗用車では有るけれども、限りなく商用車に近い発想の商品がドライバーには好まれるわけです。
ここでUberを使用したことが無い方に簡単にご説明します。
Uberにはいくつか種類があります。
普通の車(運転手入れて5人乗り) は Uber X
大きな車(運転手入れて7-8人乗り)はUber XL
その他高級車専門のUber Blackや、スペイン語OKの車など。
マジョリティはUber XとXLです。
上記の燃費が。。。という車はX用に向いていますね。
次に多く使われているのがXLです。
XLは料金がXよりも高いです。倍までいきませんが、1.7倍くらいの感覚でしょうか。
でも7人で2台に乗るよりは、1台のXLのが安く済むのでそっちを選びます。
ドライバーの手取りもXLのがいいです。
なので次にドライバーに選ばれる自動車は、X向けの仕様プラス、乗車人数が多いこと。
Uberのサービスは人を運ぶことだけではありません。
先日渋谷でも試験的に始まりましたが、Uber Eatというサービスがあります。
要するにレストランから自宅に料理を届けてくれるんです。
で、その配送に使われるのも、ドライバー所有の自家用車です。
また、最近では、ラストワンマイルの※物流にUberが使われています。
(物流倉庫からスーパーマーケットまたは自宅など、物流チェーンにおける最後の経路)
日本では、ヤマトがやばい。値上げだ!amazonと交渉だ!と言っていますが、アメリカでは、Fedexがやばい。モノがちゃんと届かない!じゃあUber使おう。となってるんですね。
ということで、もう一つUber経済圏に求められている乗用車は、ものをちゃんと運べることです。
例えば、レストランの食事だったら冷めないように持っていきたいですね。
だったら保温器を動かせるだけdのバッテリーをオプションで備え付けられる車はUberドライバーには人気になるでしょう。
荷物を運ぶなら、金曜日の夜とかUberに高い需要があるときには人を運ぶけど、それ以外のときは荷物を運べるようにシートが折りたためる。というのも人気になりそうです。
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とまあ、ここまで色々と語ってきましたが、何が言いたいかというと、下記のように消費者のニーズが変わっているんですよということを、名古屋や東京にいる自動車会社の人たちはちゃんとキャッチアップしていますか?ということです。
今まで
自分、又は家族が運転する車を買う
今後
運転する人がUberで稼げる車を買う
もし、日本の自動車会社の人が、
「運転する喜び」
「人が振り返るような斬新なデザイン」
をコンセプトの第一としていたら、やばいですよね。
だって、世界一の自動車大国では、既に、人を安く運ぶことに特化した乗用車が売れ始めているわけですから。
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ということで私の意見をまとめますと、、、
誰が困るかと言うと、「いつまでも昭和的な考え方で自動車を作り続けてしまう日本の自動車会社の皆様」です。
ちなみに、ものすごい近い将来にはUber Skyが出来ますよ。
運転手もいない自動運転のドローンで人を運ぶんです。
そうなったら、タイヤメーカーの皆さんも安泰ではないですね。