いわタワーさんの[大人の「とりあえず3年」に負けるな。目的と手段を履き違えない人生を] に抜けている大事な説明と、イマイチ説得力がない理由。

www.iwata09.com

 

初めていわタワーさんのブログを読みました。

 

駒沢大学を卒業後に就職せずに学生時代から続けていたブログ、執筆、そして服の販売、のようなモノで生計を立てているというプロのブロガーさんです。

 

 

その記事の中で人気だった↑↑の記事を読みました。

 

シンプルな感想と考察を書きます。

 

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基本的な考え方にはとても共感できます。

 

生きるために働くのではなく働くことは生きることの一部であって、目的では無いですよ。という話。

 

 

福沢諭吉の言葉で、幸せな人生を送れる人は良い職業に就いた人だ。というのがありますが、仕事を生活と切り離して考えることは難しいですよね。

 

また、意味もなく3年耐えるな。という話。

 

私は、この文章はある程度、いわタワーさんの考え方にもともと近い思考をしている人にしか響きにくいと思いました。

 

なぜなら、新卒で就活をしていて、しかもしっくり来ていない人というのは、以下の部分が大きく欠落している可能性が非常に高い。

 

 

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1. 自分のやりたいことが明確でない。

2. そもそもやりたいことを明確にするプロセスが備わっていない。

 

→ やりたいことを明確にする作業。これはアメリカにいるとよーくわかりますが、日本人がメチャクチャ苦手なことの一つです。

 

なぜなら、日本人の古い時代の人の考え方の根底には、

・贅沢は悪

・ワガママは悪

・我慢は美徳

みたいな戦争中のような考え方が残っている部分が多い。

 

そして、それは大体バブル崩壊手前くらいは日本のGDPを上昇させる。という観点から見ると正しかった。なので、誰も真っ向から意見を言えないし、言わなかった。

 

要するに、官僚が作ったアメリカコピーの経済モデルをぐるぐると回していける勤勉な駒が大量に必要だったわけで、個々人がやりたいようにやる。みたいなのは政府的にも大企業的にもNGだったわけです。

(そんな中で、自由闊達な社風として人気が合ったのはソニーやHondaです。それらの会社がなぜかパナソニックトヨタよりもイメージがいいのは古い時代にあっても個々人のクリエイティビティを尊重していた会社だからじゃないかなと思います。)

 

長くなりましたが、↑こんな考え方の塊みたいな厚労省の管轄の教育委員会の管轄の教員が、人からなんと思われようが自分のやりたいことを考え続けて実現し続けなさい。みたいなことは教えませんよ、小学生に。

 

小学校のときに将来なりたいものを書かせるくせに、なりたいもの、やりたいことを明確にして実現させていくプロセス、その大切さを教える時間がないのは、方程式や例題が無い中で難題を突きつけるのと一緒ですよね。

 

とまあ、そんなこんなで、私個人として、いわタワーさんみたいにやりたいことが明確である。という人はまだまだ圧倒的に少数だと思うのです。

 

だから、やりたいことをやれ!と大学生の就活の時にいきなり言われても、そんなものありません。と言ってニートになる人は、ある種めちゃくちゃまともな人だと思います。

 

 

一方アメリカ人って、やりたいことを言えないやつ=ダメなやつ。とみんなが当たり前に考えています。

・やって失敗して学ぶのが正しい学び方

・やらないで考えているふりをしているだけの人は時間と金をドブに捨てているようなもの

・そもそも本当にやりたいことを頭の中だけで考えて決定するなんて不可能

 

こんなような考え方が根底にあるんだなぁと常々思います。

 

経営者層も同じ考え方を持っています。なので、プロジェクトはすぐに挑戦して失敗したほうが、精巧な企画書を何ヶ月もかけて書いていてやらないより評価されます。

 

(ただ闇雲に挑戦すりゃいいってもんじゃないですよ。100%失敗しないプロジェクトを作ろうとして時間と人件費を無駄にするなら、ある程度の見通しでスタートしてその後補正しよう。という感じです。)

 

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やりたいことを明確にする作業と言うのは本当に大変。

言われたことだけ一生懸命頑張ってきました系の優等生が、それを新卒就活に一気に仕上げるなんてそれは、神業レベル。

 

学生時代にインターンシップやバイト、イベントの運営とかで、自分のやりたいことを明確にする作業に積極的に取り組んでいた人のほうが、就職がうまくいくと言うのはそういう理由です。

 

3. 自分にとって必要な給料の額とそれを稼ぐために必要な労力や時間を試算できていない。

→ 要するに、自分はどんな人生をどういう風に歩んでいきたいか。というところからある程度の給料を考えてみるべきなのです。

 

1.2.が明確になれば、3.はあまり難しくないと思うのですが、やりたいことをやって稼げる給料が必ずしも高く無いというのは当たり前です。

 

だから、

djoo.hatenablog.com

 

でも書きましたが、給料ランキングは参考までに確認する程度でそれを応募企業の決め手にしてはいけません。

 

自分なりの価値観=やりたいことが見えていればきっと給料や一般的な生活水準が平均よりも遥かに劣っていたとしても幸せな人生を歩めると信じています。

 

 だから転職します。

客観的な高給と高待遇を捨てて。

 

djoo.hatenablog.com

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次に説得力の話ですが、やっぱり会社に入って仕事をしている人に対して、プロブロガーが会社を続ける必要はない。と言うのは説得力にかける気がします。

 

 

「だってお前はブログで収入が有るじゃん」

「だってお前、会社で働いたことないじゃん」

と、経歴とかって見られれてしまう気がするのです。

 

ん?経歴なんて意味がない?

なんて思っている人はまずいませんよね?

 

学歴や経歴は人を評価するのための絶対指標であってはいけないですが、ものすごく有用で効率的な指標で有ることは間違いありません。

 

学歴差別!反対!」とか言って騒いでいる人って、要するに自分の事をどうにかこうにか評価して!と相手に評価を丸投げしている、かまってちゃんだと私は思います。

 

人が人を評価する世の中にあって、いちいち一人一人の人間性や能力を全くの事前情報無しに評価するのって効率が悪すぎると思っています。

 

 

学歴や経歴はものすごく有用なフィルタリング基準です。

 

 

だから私は大体の文章を読むときには、まずその人の経歴を見ます。

ついでに、書かれた年月を見ます。(これは別の理由からですが。)

 

著者を見ないで読む文章は日経新聞とCNN Newsくらいですね。 

それは媒体自体をある程度信頼しているからです。

 

 

さて、話逸れました。

 

 

学術論文レベルの普遍性で物事説明できれば書いている人がどんな人かは全く問題にはなりません。

 

 

でも、実績が乏しい or 論理が完璧に近い説明ができない、という状況だと、それは戯言に聞こえてしまうのが実情だと思います。

 

 

特に、本件のような「生き方」みたいなテーマだと、その人がどんな風に生きている人なのかっていうのがもっとも説得力のある材料になります。

 

 

イマイチ説得力が無いなぁと思ったのはそんな理由です。

 

入社1年目で悩んでいる人がいわタワーさんのブログを読んでも戯言にしか聞こえないかもしれない、そう思います。

 

 

道は開ける 文庫版

道は開ける 文庫版

 

↑「1日1日を壁で仕切ろう。そして全力で生きよう。将来の地獄を悲観することも、花園を夢見ることも無意味。人生は今のみ。今を生きよう」

 

私がむか~しに読んだ時にこんなような抜粋をしていました。 

やりたいことを見つけるために必要な、考え方の土台になる本です。

 

今の生活に悩みを持っている人がいたら、ぜひ!

 

生き方―人間として一番大切なこと

生き方―人間として一番大切なこと

 

 

↑良書。

京セラ、KDDIを創業し、JALを再建させた天才経営者が語る「生き方」。

後半、やや仏教本っぽくなりますが、、、、

 

人はなぜ生きるのか。という問に稲盛さんなりの一つの解を出しています。

 

 

経歴抜群。

経営の神様。

 

そんな人が書いた本だからこそ、素直に読めると思います。

(その考え方がただしいかどうかは自分の価値観に照らし合わせてください。)