外資系企業におけるマネージャーは責任が重い / リストラは悪いもんじゃない

日本の企業と外資系企業で一番違うところは、現場のスタッフとマネージャーの責任の重さや権限の違いです。

 

外資系企業の基本的な考え方は、マネージャーをやりたくて能力がある人がマネージャーをします

 

そのため、長く働いたりスタッフとして優秀だった人が必ずしもマネージャーをやっているということはありません

 

 

 

 

一方で、日本の企業の場合は長く働いたらマネージャーになれる、即ち偉い権限が貰える給料が高いなど。

ヒエラルキー化しているわけです。

 

そうなるとどういう状況が起こるかというと、マネージャーとしての能力の低いスタッフがマネジメントをしたり、必ずしもマネージャーをしたくない人でも長く居ることによってマネージャーの役職にいます

 

一番苦労するのは、その下で働くスタッフです

 

 

能力の低いマネージャーの下で何か責任を取らされたり、時間の無駄とも思える指示を受け、黙々と作業するようなことになるわけ

 

そして何か問題が起きた時にマネージャーはスタッフのせいにするということができてしまうのが日本企業。

 

なぜかというと、そのスタッフをコントロールしているマネージャー、それをコントロールしてる部長も同じようなマネジメントの考え方なので、必ずしもマネジメント能力に問題があったという風には見なされません。

 

 

---------

さて、そんな中で仕事をしている若い人たちにはデメリットがたくさんあります。

 

まずは、優秀なプレイヤーのみが評価されるということで、能力の評価基準がかなり画一的になってしまいます。

会社で認められている人は、マネージャーや部長に気に入られ、言われたことをしっかりとこなす、愛社精神のある企業の奴隷のような人じゃありませんか?

 

例えば、全体を最適化してバランスを取るようなマネジャーの考え方を持ち、

経営資源の分配が悪いというようなことを言う人は多分認められないでしょう、それが正しくても。

 

つまり、全く経営者マインドが醸成されないまま20代30代前半を過ごすことになります

 

即ち、無能なマネージャーや経営陣の予備軍として出世街道を上がっていく、それが評価基準だからです

 

-------------

最近黒字企業優良企業がリストラをしているのは、まさにこういう状況をどうにか打破したいから。

というか、過去の失敗を精算したい

 

優秀でもない役職者が多くいて、給料ばっかりもらっている。

下が疲弊するだけのならまだしも、外資系企業やアジア、中国の新興企業にどんどんどんどんやられていって、会社自体が立ち行かなくなる、そんな危機感を持っているため黒字のリストラをするわけです。

 

一方で優秀じゃないマネージャーでも、実はその会社以外の所では優秀なスタッフとして(マネジメント能力を必要とされないポジションで)給料の高い仕事ができる可能性があります。

 

実はうちの父親がそんな感じでした。

誰でも知ってる日系の大手電機メーカーで、ずっと技術者としてやってきて、年齢が上がったから課長とか部長やってましたが、本当は現場の最前線で設計やテスト、開発などをしたかった、そういうのが向いていたとずっと言ってました。

 

 

彼の凄いところは、50歳ちょっとぐらいで早期退職に自ら手を挙げて、設計の最前線で活躍できるベンチャー企業に飛び込んだところです。

 

僕は高校生ぐらいでしたか、びっくりしました。

だってめちゃくちゃ有名な会社から全く無名の会社にいきなり飛び込んだんですから。

 

結果的には商品開発の最前線で中国の工場や展示会などにどんどん出かけて行って、1回か2回テレビの取材なんかにも答えてました。

 

-------------

なので、リストラというのは本来はかなりポジティブなはず。

 

一つの組織にしがみついて長く働いて偉くなって上を目指すという考え方自体が、間違っている。

 

そもそも市場や人口が伸びている、古き良き日本の中でのみ有効なマネジメント理論だったということを1部の経営者は気づいています。

 

でも、40代50代、ちょうどやっとマネージャーになったのに!という人達が、直視できずに必死で抗おうとしている、そんな感じですかね。

 

若い人たちは自分が会社の中でどういう風に育っていきたいのか、社会の中でどういう人間になりたいのか、今の評価基準は自分の能力をちゃんと評価してくれる評価基準なのか、そういったことを考えて最適な市場を選ぶことが大事です

 

従順で大人しく言われたことをしっかりこなして、それで自分が満足、組織も満足ならいいんですが、言いたいことがあったり、やりたいことがあったり、どんどん前に行きたい20歳でプロジェクトリーダーをやりたい、プロダクトマネジャーをやりたい、そんな人は日系大手の企業に入ったとしてもその役回りが回ってくるのは早くても35歳。

 

で、そのころになったら中国とかインドから優秀な20代のプロジェクトマネージャーが転職してきて、自分がやりたかった仕事をやられちゃう訳です。

 

自分のキャリアを自分で描いてチャレンジできるのは本当に30代前半ぐらいまでだと思います。

 

年齢なんて関係ないと思うかもしれませんが、意外とそうでもなくて、精神的に、例えば家族を持ったり、そういう縛りができたりとか、そんなもんで色々と動けなくなるもんなんです。