〇〇pay の攻防 : ユーザーが考えるべきことは、お得かどうかではなく、利便性。
約1年前に以下の記事で指摘しましたが、
銀行口座との連携がクレジットカードである限り、
電子決済は永遠にクレジットカードのままです。
上記の記事で指摘しているように、銀行口座に給与が振り込まれるんだからそれをどうやって自社サービス(電子マネーにチャージ)するかがポイントです。
んで、色々とみてみると銀行口座の登録が各社できるようになって、
オートチャージ機能なんかもついているようで、一歩キャッシュレス社会に近づいているんだなぁ。と実感しました。
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さて、話は変わってユーザー側としてはこの流れをどう捉えるべきなのでしょうか。
今、〇〇payを使っている人の大半は、高還元に踊っている。という状況ですよね。
便利とかそういうことではなく。
「だけども結局最終的には使いやすいかどうか。」
が勝負をわけます。
これは、先進国であればあるほどその傾向が強く、
使いにくい = 自分の時間コストがとられる
と考える人がふえるから。
よく言われる、日本の主婦は1円安い卵を買うために自転車で10分遠いスーパーに行く。
ということがありますが、こういうのもそのうち完全になくなるでしょう。
(増税前のかけこみがいまいち起こらなかった。というのもそもそも2%くらいの差で慌てふためくほうのが効率がわるい。と考える人が多いからです。)
さて、では電子決済において、「利便性が高い」というのはなにか。
これはものすごくシンプルで、
1. 使える場所がおおい
2. 使うための手間が低い
3. 自動的にチャージされる
この3つです。
そこには、高還元であるとか、コーヒーが安く飲める。とかそういうお得という観点は抜けます。
お得というのはある種娯楽的なものであり、趣味で楽しむ分にはいいのでしょうが、日常生活における決済というのはコスト(ここで言うコストというのは支払う金額ではなく支払い行為、事業者側の受領行為)でしかない。ということです。
ってことで、前回の記事から1年たちますが、相変わらずdjooは
が最強であるという考えを変えていません。
1. 使える場所がおおい → 電車バスに乗れる。使えないコンビニはまずない。
2. 使うための手間が低い → スマホの電源を入れることなど不要。ピッで終わり。
3. 自動的にチャージされる → クレジットカードとの連携が
〇〇pay
1. 使える場所がおおい → 電車バスに乗れない。まだまだ少ない印象。〇〇payが多すぎて店によって使い分けるのが面倒。
2. 使うための手間が低い → スマホの電源を入れる。電源きれてたら終わり。
3. 自動的にチャージされる → これは一部できるようになってるのがあるみたいですね。(でもね、使える場所が少ないということはチャージされる金額も少なくしないとNGってこと。)
こういう比較をしてみると、一時的な還元祭りが終わってしまえば結局みんなSuicaに戻るんじゃないかと考えてます。
というか、交通系ICカードのポイント還元の仕組みをもう少しまともにしたら誰も〇〇payを使うことはないはず。
(オートチャージSuicaの圧倒的なデメリットは還元されたポイントをSuicaにチャージするためにJRのviewの端末に行かなきゃいけないこと。これはありえないほど馬鹿げてる仕組み。)
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さて、最後にキャッシュフローの話。
銀行口座連携の〇〇payとクレジットカード連携のSuicaだと、同じ金額がオートチャージされるとしても、ユーザー側に対するファイナンスのメリットはクレジットカードのが圧倒的に有利です。
なぜかというと、クレジットの場合はマイナス金利で借金ができる。から。
今の現金よりも未来の現金のほうが価値が低い。
クレジットカードの最大の魅力は、
未来の現金で今の商品を買えること
です。
そもそも電子決済云々の前に、こういったキャッシュフローのメリットがクレジットカードの最大の強みです。
借金できるから、クレジット=信用 のカードなわけですね。
なので、〇〇payのような銀行口座からお金が勝手にチャージされる仕組みというのは、事業者側に取ってはものすごい美味しい話なわけです。
だって、現金が一時的にどかっと入ってくるわけですから。
そのお金を1ヶ月間運用すれば1-2%くらいお金が増えます。
金融機関みたいなもんですね。
ってことで、資産運用のことを少しでも考えるのであれば、還元される金額だけに注目するのではなく、今の支払を未来の現金からできる。というメリットも理解しておく必要があります。
そもそも中国でAlipayが爆発した理由は、信用力が低くクレジットカードを持てない人が大量にいて、その人に対する電子決済のサービスを提供できたから。です。
日本人の大半の人は本気出せばクレジット持てます。
なので、別に現金を電子化して支払う〇〇payを使わずともクレジットにすれば本当はいいんですよね。
なお、クレジットカードのもう一つの利点としては、
「保障がある」
ということがあげられます。
例えば不正利用。
不正利用された場合はクレジット会社が保障してくれます。
また、不当な引き落としの場合もクレジット会社が間に入ってその分の引き落としをストップしてくれます。
アメリカでは上記のようなメリットも含めてクレジット信者が多い。
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○○payを単なるお得なもの。と考えるのであれば、クレジットカードの新規入会特典を手当り次第取りまくればいいんじゃないの?とかっておもってしまいます。
どのカードも新規入会で5,000円くらいくれるので、10%還元。をやっていたとしたら○○payで50,000円分買い物したのと同じ効果です。
新規顧客獲得コストとしては、○○payのやっている還元策というのはそんなに巨大なものではなく、クレジットカード業界では当たり前のことです。
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金融サービスを選ぶときには利便性とファイナンスの観点で魅力があるかをしっかりと考えないと、お得に踊らされて自分の大切な時間を浪費することになりかねません。
djoo