2018.06.12 神出全農理事長が「AG/SUM」で講演 = 日経新聞に大金を払って、作り上げた壮大な自作自演。 を見てきました。
アグサム。初日のシンポジウム見てきました。
AG/SUM : AGRITECH SUMMIT (アグサム)
一番盛り上がっていた?というか関係者がたくさん詰めかけたのは、こちらの講演。
神出全農理事長が「AG/SUM」で講演|ニュース|JAの活動|JAcom 農業協同組合新聞
さすが、JA様の理事長様。
djooの隣に座っていたJAの人なんか、
ものすごい勢いで拍手するわ、うなずくわで、
「変な宗教?JA理事長って教祖?」って思っちゃいました。
まさに理事長の名字の通り、神出(かみいずる)って感じで、不気味さ満載。笑
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さて、こちらの講演は以下の四名で進みます。
・モデレーターの三輪氏 三輪 泰史|研究員紹介|日本総研
・JA全農理事長の神出氏
・農林中金専務の金丸氏
・日経新聞記者の吉田氏
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率直な感想は、「台本どおり」
三輪氏はさすが日本総研のエリート。
非常に上手に場を盛り上げながら進めておりました。
しかし、JAの神出さんとJAバンクの金丸さんが、演者としてはやはりかなり足りないな。といった感じでした。
台本を見まくって、棒読みになってしまって。。。。痛々しかった。。。。
会場は
「これは討論ではなく、台本通りのただのプレゼンだよね。」といった雰囲気に包まれておりました。
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台本にある、討論の構図としては、
1. 日経新聞の吉田氏と三輪氏が世論側にたって、JAを詰める!!
2. ただし、議論を重ねていく上で、世論がいうほどJAは悪くない!!!
という結論に続いていく。。
壮大なる自作自演 (という印象を受けました。)
簡単ですが、プレゼンの目的は以下の様なモノ。
(これはすべてdjooが感じたことですので真意のほどは神(出)のみぞ知る。)
1. JAは悪。という世論をどうにか払拭したい。
日経新聞の吉田氏が冒頭に開口一番。
「小泉進次郎氏 vs JAの構図でJAがすっかり悪者になっています。会場に来ている人の中でもJAと聞くと顔をしかめる人もいますよね?」
と。
djoo的には、図星。
周りを見回しても、ニヤケ顔の人が満載。笑
続けて吉田氏。
「しかし、頑張っているJAもたくさんあるし、JA抜きでは農業革命は起きない。」
と、会場にいる、次世代の農産業界を引っ張っていくであろう企業や人に
「JAは悪者じゃないからね!!!!」
とJAに大金を積まれてお願いされたメッセージを発表されました。
さもないと、JAが存続していきませんからね。
JA理事長の課題というのは、農業改革ではなくて、JA組織の存続と拡大。
なのだと改めて実感いたしました。まあ、大きな組織のトップってみんなそれがお仕事ですからね。
じゃあ、JAだけバッシングされるのはおかしい?????
→ そんなことはないんですよ。JAはバッシングを受けるべき組織なんです。
(その理由は後半で!)
2. 農業革命に置いていかれそうなJAの焦り&ぜひとも仲間に入れてください。感
営農指導をしている、JA職員の首を切りたくないので、先進農業技術の普及にぜひともJAの職員を使ってください。
というアピールが冒頭にありました。
会場の雰囲気的には、
「IoTのことなんにもわかっていないJA職員にそんなことできるの?」
と、まあ想定されるリアクションでしたね。
その辺は、どうにか頑張る!的なJAの説明が痛々しかった。。。。。
三輪氏も吉田氏も一生懸命、
アグリテックの普及と日本の農業革命はぜひともJAと一緒に頑張ろう!
と締めくくっていました。
つまり、JAとしては、どうにかあと何十年もJAという組織を今のまま維持し続けたい。
JAだけではなく、JAを支持母体としている政治家の皆様もぜひそうしたい!!!
そして農水省のひとたちも、変革はいやだ!!JA今までどおり、蜜月な関係でいたいよぉ!!!!!
という旧世代の農業関係者の、熱い熱い想いがこめられておりました。
おまけ:
面白かったのは、
三輪氏は、あまりにもJA側の演者の能力が低かったのを見るに見かねて、
「この会は台本なしの全部アドリブですからね!(ということにしておいてね!)」
と一言添えて会を締めておられました。あー言っちゃったよ。
会場のあちこちからは苦笑いが。。笑
なんともいい難い自作自演感の否めない終わり方でした。
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djooの感想:別にJAの職員は悪くないと思います。
djooはJAの職員の皆様は全く悪くないと思っています。
何名にもお会いしていますが、一生懸命に仕事をされているし、目の前の農家のため、野菜や果物、お米のためにちゃんと仕事をされています。
全くもって、彼らを非難するつもりはないです。
問題は、JAという組織自体が存在不要なのに、税金使いまくって延命させてもらっている。
(これが一般の大企業との違いです。JAがバッシングされなくてはいけない一番の理由。)
という政治的な問題です。
普通、民間企業でアレば、世の中から必要なくなれば勝手に倒産して市場から退場していきます。
コダックだって、カネボウさって、サンヨーだって、東芝だって。(おっと、東芝はまだ生きてましたね。先走りました。)
もしくはやり方や事業を変える。
富士フィルムが生き残っているのも、GEが電球作らないのもそういう、
本当の意味で優れたトップがいた。
から世の中に必要とされ続ける組織であり続けている。
わけですね。
一方、JAはJAとして金融から営農指導から種苗から肥料から研究から流通から。。。。。
ぜーんぶ抱え込んでいる。
しかもすべての事業において、魅力(=競争力)がない!
JAがやっていることは、必要。
でもやりかたがものすごく時代遅れで生産性が低すぎる。
というのが問題なんです。
まあ、役所的な組織なので、組織として利益をあげようとする努力が全くなされていないのは当然ですよね。
だから著名な起業家や政治家は民営化を進めようとするわけです。
このあたりは大前研一氏の記事にわかりやすく書かれていますのでそちらをご参照。
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つまり、日本の次世代の産業の根幹となりうる農業に革命を起こせる組織としてのポテンシャルはほぼ0ですよ。
ということです。
万が一JAが日本の農業革命を進めていくとしたら、間違いなく日本の農業は消滅するでしょう。
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今回のシンポジウムを聞いて、全くJAは変わる気が無いです!と、次世代の農業を引っ張るリーダーたちに発表をされたJA理事長。流石でございます。
「美しく、緩やかにJAという組織は衰退していくのだ」という確信を会場中にばらまいた、そんな「日経新聞の本当の意図が見える会」でした。(さすが日経新聞様!!!)
最後に、
一般論として、
「怪しいものじゃないですよ!! ^^!!」
と言われたら、余計に怪しむって(笑)
やり方考えないと。