投資 僕が日産の株を大量に購入した理由
カルロス・ゴーン社長率いるルノー日産グループがEV会社への転換を大々的に発表しました。
これによって日産の株価も少し上昇。
日産株をそれなりに持っている僕としては嬉しい事です。
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さて、皆さんよくご存知のように今、自動車業界は大きな大きな変革の真っ只中にあります。
日経新聞の記事でもわかりやすく説明されていますが、エンジンから電気へ動力が移り変わることを始めとして、運転手のいらない車、インターネットとつながっている車、自家用車からシェアする車。
要するに今までの企画設計の概念では太刀打ちできない。
日本にはトヨタ自動車という国家とも言っても過言ではないような馬鹿でかい会社があります。
本文では投資対象として日系の自動車会社を比較した時に、なぜトヨタではなく日産なのか?という点を書きます。
引っ張ってもしょうがないので結論から書きますが、既得権益や参入障壁にどれほどのこだわりがあるか。という点が一番大事です。
トヨタはつい数年前まで、水素社会が来るということを本気で信じていたようです。
いや、本気で信じているようにアピールすることで世の中をそっちに引っ張りたかったようです。
水素で走る自動車の環境性能とかその辺の話はおいておいて、この発表を見た時に、ああ、トヨタだめだな。と思いました。
なんでかって、水素自動車をトヨタが作りたい理由が、まさに既得権益を守るため、そして天下を取り続けるための参入障壁を作るためだと世界に発信してしまったからです。
この発表を見た全世界の人や企業は、トヨタはトヨタ一グループで頑張ってね。もう、あそことはかかわらないほうがいいね。と思ってしまったでしょう。
そう思わせてしまったことでトヨタは既に負け戦に一歩前進。
日経新聞の記事でも触れられていますが、今の自動車産業を引っ張っているのはトヨタでもVWでもGMでもない。
彼らがこれからの王者になっていくのに、パートナー、または下請け会社になるべく車両提供会社の一つであるトヨタがあんなに協力的でなく、古い考え方であると発表してしまったら、そりゃもう誰も声をかけてきません。
トヨタの偉い人は、トヨタが水素と言ったら世界中が水素になるんだ。と裸の王様のような考え方だったのでしょうね。
これからの自動車産業をひっぱるつもりでもあったのでしょう。とんだ勘違いです。
例えば、PCの製造業界を見てみます。
今の時代、どうしても富士通のFMVがいい、とかNECのバザールでござーるがいい。っていう人なんていないでしょう。
それよりも僕らはなにでPCを選ぶかという、
・OS
・CPU
・メモリ
・画面のサイズ
まあこんなところです。
希望のスペックを満たしていれば、あとは価格勝負。
一部の人は、Mac Bookのようなデザインを重視するという人もいるでしょうが、大半の人にとっては安くてそれなりに使えればそれでいいんです。
あとは、ネットに繋いでそれらのコンテンツを楽しむ。
Amazonで買い物したり、Google MapやGmailを見たり。
だからそれらにアクセスするハードの最終組立メーカーなんてはっきり言ってどうでもいい。
自動車もこれと同じことが起きているのに、トヨタは未だにそれに気づいていないのか、気づいているけど手遅れなのか、それとも意味の分からない誇りがあるのかわからないけど全くその姿勢を見せない。
これからの車で見られるスペックは、
・サイズ
・自動運転のOS
・価格
・モーターの種類と製造メーカー
これがメイン。
一部のコアな車ファンはMac Bookのようなデザインが優れている車を買うでしょう。
でも、世界中の誰もがトヨタのデザインが一番!なんて思っていません。
欧州の老舗ブランドメーカーにはブランド力もデザインは完敗。
せいぜいLEXUSブランドの一部車種で対抗できるかな?程度ですね。
トヨタというブランドが高級路線のアップルのようにはなれないのは自明。
なので、PC業界でいうと、HPとかIBMみたいにならないとね。本当は。IBMはLENOVO、中国企業にパソコン部門を売ってしまったから、むか~しから残っていてまだまだ頑張ってるのはHPくらいか。
DELLは比較的新しいし、今は殆どがASUSとかACERとか台湾企業ですもんね、PC組み立てって。
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日産はこれらのことをよくわかっている。
それはカルロス・ゴーンが日産に対してただの日本のハード供給会社というとてもいい意味でドライな考えを持っている人だから。
別に日産でも三菱でもルノーでもなんでもいいけど、人やものを効率よく安全に運ぶ、というサービスを提供するために何をしなくてはいけないのかを常に考えている。
完成車メーカーが一番えらい!
みたいな考え方はありません。
時代に合わせて、自分が世の中に提供したい価値を、最適なリソースで実現してやろうという意気込みと覚悟を感じます。
カルロス・ゴーンなら日本の日産関連の下請けをバッサバッサと切っていけるでしょう。
参入障壁の本当の意味をよく理解しているはずなので、技術的に難しいものを作るのではなく、新しい自動車産業の王者たちとの友好なパートナーシップを築くとともに、車両供給下請け会社として輝くためには何を真の参入障壁と考えるべきかわかっている。
記事の中では規模のメリットを活かす。と断言されていますね。
アメリカから輸入した車をせっせと分解して効率よく品質良く作り始めることで始まった日本自動車産業の栄光は2018年からは政治経済ではなく日本史で勉強する話になります。
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今までの自分達の栄光をあっさりと否定し、今、真に世の中に必要とされているものを真摯に提供しようとする姿。
そして姿勢が将来のトヨタと日産の業績を大きく左右することになります。
トヨタが今後EVに本格参入するとしてもトヨタ一社じゃ何もできないことは明らかです。
どうやってパートナーシップを作っていくか。これが大事。
でも、水素社会!とか本気で信じていた、トヨタのトップ陣が、創業十数年のアメリカの新興企業に頭を下げて、うちの車両を使ってください。なんてできるんでしょうかね。
鉄は国家なり。
とか言ってた元国営会社みたいに、みるみる存在感がなくなっていく気がしてなりません。
頑張れ!トヨタ関連のエンジンまわりの技術者の皆さん!
逃げ出すなら早いうちに!