素人が日本企業のコアコンピタンスを考えてみる

djooです。

新卒就活生になった気持ちで、日本企業が世界に誇れる強さの源泉(=コアコンピタンス)は何か考えてみます。

  

何度も何度も書いてきましたが、日本企業が成長してこれた一番の理由は人口の爆発的増加です。

 

この強みがなくなった今、何を武器に世界と戦うべきなのか。

はたまた戦うべきなのか。

 

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日本がものづくりでやっていけると、未だに信じて疑わない人がいることに驚くことがありますが、その技術やら設計開発力なんてものは今の時代では強さの源泉にならないのは当たり前ですね。

 

最終製品を見ているとわかりますが、5年前の高級スマホは現在の格安スマホに敵いません。

要するに、せいぜい5年でその技術は市場では通用しなくなるような時代です。

 

商品やサービスを売る/作る上で本当に競争力となるのは以下のようなものがある。

 

1. 地理的条件や長い歴史の中で醸成されてきた文化を使った商品サービス

>レアアースが必要な電池

>農産物 / 海産物 などの地理的条件を人工的に作ったとしてもコストパフォマンスが見合わないようなもの(ビニルハウスや養殖でどこでもなんでも育てられるかもしれませんが、それに見合う採算が取れない)

>日本古来の建物を資源とした観光

>雪山や地中海性気候を楽しむ観光

>長い時間かかって醸成されてきた文化が醸し出す街の雰囲気や人の雰囲気

こういうものは良さをしっかりとアピールできればまだまだ日本が世界に売れる余地があります。

売り方が悪いだけ。

 

2. 機能や性能の進化がほぼ止まったような商品における圧倒的なブランド力

>資生堂の高級化粧品、SEIKOの高級時計、和食器や着物などの日本文化を強みとした商品などブランド力がある商品

 

それらは技術開発やコスト競争をしているわけではなく、あくまでの消費者に根付くブランドイメージを武器に戦っているからです。

 

資生堂の高級化粧品でなく、ニベアクリームだけでも全く肌に問題なかった。というようなブログ記事が結構出回っていますが、女性自身にとって、高い金を出して資生堂を使っているという満足感をニベアが与えるのは難しい。

 

要するにキャバクラに行っていい気持ちになるおっさんと同じようにそういうものでいい気持ちになりたい女性は一定層いるわけで、そういう人たちへの満足感を売っているブランドものはなかなかなくならない。

 

いつまでたってもエルメスやヴィトンのバッグが売れるのはそういう理由です。

圧倒的に合成繊維のバッグのほうが機能が優れていてもそれらのバッグは何十万、何百万という価格で売れる。いわば芸術品を売っている感覚ですね。

 

 

3. めちゃくちゃ作るのが難しいとされている一部のモノ/特許をとった圧倒的な製品

自動車のエンジンや原子力発電所、航空機など、一部でまだまだ設計開発生産が難しいとされているものもあります。

 

しかし、例えば自動車なんぞは、そのうち全てがEVに変わっていくのは自明で、パソコンの組み立て同様あっという間に製造技術が必要なくなる時代が来ます。

 

原子力発電所も作るのが難しくリスクが大きいものですが、太陽光発電でそのうち全ての電気が賄われるようになるでしょう。だからそんな技術は必要なくなる。

 

例えば航空機を完全に自前で作れるようになればしばらく、アメリカ勢との競争は厳しそうですがしばらくやっていけそうですね。

 

 

ユーグレナミドリムシの培養を完全に支配できればエネルギーや栄養ベースの食に関してはかなりの競争優位を保てるはずです。

 

4. スーパーマリオポケモンジブリなどのキャラクター

これらは著作権の問題も絡みますが、ディズニーが未だに世界で一番のコンテンツ制作会社なのはミッキーマウス著作権をあの手この手で抱え続けているディズニーの政治力のおかげです。

matome.naver.jp

 

5. 常に時代の流れに合わせて企業の業態を変えていける経営陣を保ち続けられる企業文化

ちょっとトリッキーなくくりですが、トヨタがエンジンに関わっている人全てを解雇して関連会社を全て潰すようなことができればトヨタはEVの会社として戦っていけるかもしれません。

要するにトヨタって昔はエンジン車を作っていたらしいよ。みたいな状況が作れればOK。そういう企業文化があれば生き残っていけるはず。

医療機器で世界一のGEってもともとは電球作ってたらしいよ。みたいなことです。

 

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さて、まだまだ抜け漏れがたくさん有りそうな感じです。

 

冒頭に書いた、就活生になった気分で。という部分に関して触れます。

 

せっかく今まで書いてきてあれなんですが、50年後に生き残っている企業に入ろう、そしてそのために強い会社に入ろう。なんて思っていたらそれは投資家の目線ではOKですが就活生としてはNGです。

 

なんかせっかく考えてきたのに無駄だな。と思わないでください。

 

なぜかというと、最初に入る企業が生き残るかどうかなんで就活生、これから社会に出る人に取ってはあんまり関係が無いことだから。

 

そんなことよりも、自分自身を上のような条件に照らし合わせて、ずっと価値を提供できる個人になれるように考えることが大事。

 

いつまでも価値を提供し続けられる人になるにはどうしたらいいのか。

そしてそのために自分は社会人最初の職場をどこにするのか。

そういう風に、自分を会社のように考えて就活することが一番大切です。

 

それは起業家精神とときに呼ばれますが、会社に所属して給料をもらうという考え方から、世の中に価値を提供して世の中から対価をもらうという考え方に発想を変えてみてください。

 

そうすると、より自由に自分らしく自分にマッチした企業を受けることができます。

まずは自分らしく考えた結果、浮かび上がってくる会社を選ぶことをしないと入社できないし、入社できても活躍できないし楽しくない。