日本農業③ -農業問題の解決が進まない理由-
前回のエントリーで農業問題の定義を明確にしました。
米価の高止まりは、農業問題を隠すための国策であったということです。
さて、米価の国際比較などは、今ではGoogleですぐに出てきます。
カリフォルニア米は10kg800円で買えます。
しかも、毎年2%インフレしているアメリカの物価でこの価格ですよ。
マクドナルドのビックマックセットが1,000円のアメリカで、米10kgは800円なんです。
いかに日本の米が高いかすぐにわかります。
しかし、国民の誰もが日本の米が高いままだということはわかるのに、いつになってもその問題は解決されていません。
それはなぜか。
理由は前回あげた農業問題を隠している団体や個人が多数存在するからです。
農地の大規模化、集積化が農産物の価格を低くするために必須です。
それは言い換えると、農家と呼ばれる家族経営の小規模経営体を解体、統合することで大規模化を図るということです。
誰が反対しているか?以下は本間先生のお言葉です。
1. 小規模経営体の減少は、JA農協の組合員数の減少となり、JAにとっては取扱高が減る死活問題である。
2. 更に、農村票を頼りにする政治家はその票田を失うことになる。
3. 小規模農家を守るためにばらまかれた補助金が削減されれば農水省予算が減り、省益が損なわれる。農水省は補助金分配機関としてその制作を実行してきた。
彼らJA農協、農水省、そして政治家のトライアングルが守る構図に阻まれるために、農業改革が進まないのです。
本来であれば、倒産や廃業すべき、適切な収益をあげられない零細農家を補助金でじゃぶじゃぶにしておくことで、彼ら既得権益者が潤っています。
そしてそのつけは、国民一人ひとりの借金として回ってきているのです。
農水省や政治家を助けるためだけの税金ほど無駄なものはありませんよね?
実は、過去何十年にも渡って、多くの税金を収めている経団連等の経済団体は農業改革に圧力を加えてきています。
しかし、第三者(本当は当事者ですが)の意見は全く通らない。
それが今、日本のお米がカリフォルニア米に比べて何倍もの値段で取引されている理由なのです。