スマホ(Android/iPhone)の音声入力がまじで使える 60代70代のお年寄りにもおすすめ

PC世代の私にとって、ケータイやスマホでの文字入力は苦痛以外のナニモノでもありません。

 

しかし最近、PCを超える速度で入力できる方法を開発!というか発見!

 

特にスマホ初心者の60代、70代の方々におすすめ。

 

通常のフリック入力とかQWERTYキーボードとか覚えなくていいと思います。音声入力さえ使えれば、家族や友人とのコミュニケーションは問題ないはず。

んで、何よりもスマホを使うハードルが下がるはず。

 

ということで、Andoroid版の設定方法を下記に解説します!

 

1.まずは設定をオンに

「設定」→「言語と入力」→「現在のキーボード」→「キーボードの選択」→「音声入力」をオン

 

2.音声入力を使ってみる(Android版)

音声入力の使用方法

  1. 任意のテキスト入力フィールドをタップして Google キーボードを開きます。
  2. 右下隅の [キーボード]f:id:djoo:20180116131304p:plainをタップします。
  3. [Google 音声入力] を選択します。
  4. マイク画像f:id:djoo:20180116131317p:plainが表示されたら、話し始めます。一時停止すると、発話の内容が書き起こされます。下線の付いた語句には、書き起こしの誤りがある可能性があります。[削除] プロンプトも短時間表示されます。
  • 書き起こしを削除するには、[削除] をタップします。
  • 入力候補を表示して、下線の付いた語句を置き換えるには、下線の付いた語句をタップします。
  • キーボードに戻るには、マイク画像 f:id:djoo:20180116131317p:plainをタップして音声入力を一時停止し、[キーボード] f:id:djoo:20180116131304p:plainをタップします。

 

3.オフライン音声入力の使用方法

 

  1. [設定] > [ユーザー設定] > [言語と入力] に移動します。
  2. [キーボードと入力方法] の [Google 音声入力] をタップします。
  3. [オフライン音声認識] をタップします。
  4. [すべて] をタップします。サポートされている言語のリストが開きます。
  5. 言語をタップします。
  6. プロンプトが表示されたら、[ダウンロード] をタップします。正しい言語の辞書がダウンロードされ、インストールされます。

     

■補足:スマホを使いこなすために

こういう、スマホでできること的なものをどんどんと生活に取り入れていきたい初心者の方は本から入るのがおすすめです。僕も最初そうでした。

(とは言っても日本で一番最初に発売されたAndroidが出た当時は本なんてほとんどなかったので、しばらくは海外サイトばかり見ていましたが。。。)

 

なんで本かというと、本だったらある特定の目的以外の周辺情報もパラパラ見ていると取り入れることができるから。

Web検索だと、ズバッと目的を探すことは容易ですが、周辺情報を取得するのはいまいち。(amazonのこんな商品もおすすめ、的なアルゴリズムが確立されれば話は別ですが)

 

おすすめフローはこちら

1. 本をパラパラめくる

2. 気になるキーワードを試してみる

3. こんな事ができるのかぁ。。。と関心する。

4. じゃあひょっとしてこんなこともできるんじゃない?

5. 本やGoogleでやり方を調べてみる

 

ベースがある人は5.からスタートできるのですが、実は1.ー4.でかなり多くの初心者の人が躓いていると思います。(実の父母がそう。)

 

どんなことができるのか全く検討もつかないとやりたいことも想像できません。

インターネットのない昭和にamazonのビジネスを思いつくのは不可能なのと同じです。

 

なので、まずは「スマホを使えばなんでもできる」から「スマホでは漠然とこんな事ができるらしい」とちょっと歩を進めていただければと思います。

1,000円、2,000円で1日の生活が15分でも効率化できれば、たった1週間で元がとれます。

 

ぜひ!

 

できるゼロからはじめるAndroidスマートフォン超入門 改訂2版 できるシリーズ

できるゼロからはじめるAndroidスマートフォン超入門 改訂2版 できるシリーズ

 

 

 

①改 格安SIM用、スマホ選び - 中華スマホを中国から買うという提案-

※追記変更しています※

-格安スマホをWishで中国から買おう!と煽っているのにもかかわらず、Wishでトラブル発生しました!全く違う端末が届いた。。。。

ということで、このエントリを少し修正して更に第二段はWishでどんな問題があって、どう決着つけたかご紹介します。(笑)-

 ※←これついてるのは追記です。2018/01/15

 

格安SIMがすっかり定着しましたね。

SIM会社各社はSIMと端末のセット売りにも力を入れており、華為(ファーウェイ)のP10 liteなどは電車でもたくさんみかけるようになったスマホです。

 

■送料込みで3500円の端末を買った

私はこの度古い端末が大破したため、新しいスマホを購入しました。

焦らしてもしょうがないので買った端末は以下のもの。

 

http://www.allcall.hk/rio/31-129.html

 ※全く違う端末が届くいうハプニング発生!!!

価格は送料込みで¥3,397。これものすごく安くないですか?

※今まで見た中で一番使い物にならない端末が到着。。。

 

ということで、まずは冒頭でお伝えしたいこと、それは格安スマホと言うのは2万円も3万円もするものではなく、1万円以下で十分購入できるものである。ということです。

※すでに1万円以下というところに懐疑的になっています、私自身。 

 

スマホは使い捨て

そもそも、みなさんはスマホをどのくらいの期間使いますが?

私の過去の歴代スマホを考えてみますと、、長くて3年短いときは1年で買い替えています。

 

買い換えるときは大きく分けて、

・端末スペックがソフトやアプリに耐えられなくなった

・壊れた

・電池が持たない

の3つです。

 

もちろん、GALAXYとかiPhoneとかXiaomiとか超ハイエンドな端末を買って5年とか使うって言うアイディアもありでしょう。

でも実際問題、スマホが壊れるタイミングってほとんどは落として画面が割れるか水没ですよね。そうなると、どんなに品質や保証が優れていたとしてもその確率はどの端末でも同様にあるわけです。

 

またスマホの成長はまだまだ過渡期です。なので日々安くていいものがどんどんと出て来る。そう考えると、今買った端末の1年後の価値っていうのはものすごく低くなるわけです。

 

ってことで私はスマホは使い捨てする消耗品と考えています。

 

また、d2万円のスマホを買って2年使うのであれば、1万円のスマホを1年で買い替えたほうがいろいろな意味でお得です。

破損の確率も50%ですし、新しい端末を選ぶ際にはそのタイミングで必要な機能をアップデートできます。例えば、カメラ機能を強くしたいとか、画面をでかくしたいとか。

 

■中華スマホを中国から買うリスク

  1. 保証はないと思ってください。

初期不良は購入したサイト経由で対応してくれますが、数ヶ月後に何かあったとしても、修理等は日本では無理です。

ただし、上でも述べたようにスマホはもはや使い捨てです。

5,000円の端末であれば、まあ1年使えればいいかなくらいに考えておいて、壊れたらまた買えばよいのです。過去、中国やフィリピンの端末を購入し使っていましたが、まず初期不良さえ乗り切ってしまえばその後の動作で日本製と大きな差はありません。これは断言できます。ただしスペックだけはちゃんと抑えておく必要があります。←これは下で説明

 

2.スマホの言語を日本語にできない可能性があります。

ただし、殆どの場合、OSを日本語にできないことは問題にはなりません。なぜならOSの上で動くアプリが日本語で作られているからです。英語の勉強になる、と考えればむしろ英語OSは価値がある?とも思います。

 

※3.全く違う端末が届く可能性がある(笑)

※4.3.が起こったときに英語で中国人と戦う必要がある(笑)

 

■中華スマホを中国から買うメリット

1.安い

何と言っても安いです。無駄な仲介業者がいないことに加え、保証のための店舗維持費なども端末代金に乗っかっていないため、格安といっていいでしょう。

 

2.無駄なアプリがない

ドコモとかの端末だと、dなんとかという意味のわからない使えないアプリがわんさか入っていますよね。あれ、邪魔なだけではなくて、我々が購入したメモリを勝手に使っているんです。スペックを使い切れないというのは買ったスマホの価値を毀損している。

あれにももちろんからくりがあって、各社がアプリをプリインストールする代わりにドコモはその分のペイバックをもらっています。

 

3.日本では発売されていないスペックの商品が手に入る

ファブレットというのはご存知ですか?iPhone Plusよりも画面が大きく、タブレットとPhone(スマホ)の間の機種です。あんまり日本では見かけませんが海外では結構一般的です。

 

あとはAndroidの最新OSがのった機種や、無駄な機能を省いためちゃくちゃシンプルな機種。ハイエンドなのに安い(Xiaomiとか)機種など、スマホの豊富さと言ったらすごい。

 

■スペックと価格のベンチマークを利用

Antutu benchmarkというアプリはご存知でしょうか?

AppleApp StoreでもGoogle Playでもダウンロードできる無料のベンチマークアプリです。

CPU、GPU(グラフィック)、メモリやディスプレイの性能など、それらのスコアをトータルスコアで表示してくれるものです。

まず世の中に出回っているスマホのほぼすべてのベンチマークはAntutuにあると言って良いと思います。

https://garumax.com/antutu-benchmark-score#AnTuTu1

 

そのベンチマークを使用して、コストパフォマンスを考えることができます。

スコアを実勢価格で割ってみましょう。

f:id:djoo:20180115183842p:plain

 

※コメントに入れてますが、結局あんまりコスパのいい端末が買えなかった・・・またレビューは書きます!

すると、1円でどのくらいのスコアを購入しているのかというコストパフォマンスが算出できます。表の一番右の列。大きい方がお得。

これを見てみますと、iPhoneXのコストパフォマンスの悪さは目立ちますね。

日本で人気のGALAXYもあんまりです。

私が今回買った端末はランキングはものすごく下位です。でも、なんとコストパフォマンス6超え。こんな感じでスペックに関してはスコアを見ることでその金額の妥当性が見えてきます。

(ただし、スコアがあまりにも低いとスマホとして使えないので注意が必要です。またカメラ機能に関してはスコアに含まれていないのでそこは要確認)

 

ためしに3年前のスコアを見てみましょう。

 

中古価格しか出てこないのでコストパフォマンスは割愛。

3年前のハイエンド機種と今の3500円機種に約1万のスコア差があります。これをどう考えるかですが、私は、たった3年で5,000円以下の端末に迫られてしまうようなスマホを5万6万だして買うのはもったいない気がしますよね。

 

もちろんスペックに現れてこない要素もたくさん有ります。

ちなみに、スコアに現れないバッテリーやカメラ、画面のサイズなども重要な要素ですが、圧倒的に新しい端末のほうがコストパフォマンスに優れています。

 

その他、スマホの使い方に対するスペックの選び方ができるとより無駄のない買い物ができます。

3Dゲームをガツガツやるような方にはとても20,000点のAntutuスコアでは物足りないでしょう。

しかし、LINEと電話とFacebook、写真を撮ってインスタグラムにアップする。Youtubeちょっと見て、ブラウジングを楽しむ。軽いゲームを楽しむ。

この程度なら5万点あればそれはもう十分なスペックと言えます。

 

■どこで買うか

おすすめなのはWishです。※おすすめなのは変わりないですが、注意は必要!

https://www.wish.com/

会員登録しないと商品を閲覧できないサイトですが、会員登録はもちろん無料。

そして忘れてはいけないのが、Wish Promコードを探すこと。

私の場合は約15%オフになりました。

クーポンコード例 : ktgvyhd

 

軽くWishの紹介になってしまいますが、私はSDカード(tf cardとも言いますね)とか、4KアクションカメラなんかもWishで購入。一度も問題は起きたことがありません。

 

ただし一つ注意が必要なのが配送に必要な時間です。

Amazonなんかで注文すると翌日、タイミングがいいと当日届いたりしますが、Wishは長いと1ヶ月位かかります。ここだけ許容できればWishには間違いなく国内最安以下のものが豊富にあります。楽しいですよーー。

 

■まとめ

1.スマホは使い捨て

2.安くてもパフォーマンスに優れている端末はある

3.自分にあったスマホを選べる

4.買うならWishがおすすめ

 

続く。

djoo.hatenablog.com

次回は3500円端末のレビューを。※結局12,000円Ulefone s8 proのレビューを書きます!

考えて行動するために。書評:デフレの正体/昭和史 戦後編/里山資本主義

 

デフレの正体  経済は「人口の波」で動く (角川oneテーマ21)

デフレの正体 経済は「人口の波」で動く (角川oneテーマ21)

 

 

 

昭和史 戦後篇 1945-1989 (平凡社ライブラリー)

昭和史 戦後篇 1945-1989 (平凡社ライブラリー)

 

 

 

里山資本主義 日本経済は「安心の原理」で動く (角川oneテーマ21)

里山資本主義 日本経済は「安心の原理」で動く (角川oneテーマ21)

 

 

 

■最初に■

2018年が始まりました。

本年もよろしくお願い致します。

 

日が空いてしまいましたが、今年1つ目のエントリは私が最も影響を受けた3冊の本のご紹介とその本を読んで私自身がどう考えて行動したのか。をご紹介します。

 

長い文章です。

しかし人生と言うのは、たった三冊の本と自分の考えで変えていけるというのを証明した文章です。

 

・本の概要

2010年時点の日本経済の問題点を人口の波という観点で説明している、デフレの正体と1945年8月15日から1972年までの沖縄返還までの第二次大戦後の日本の歴史を振り返る、昭和史 戦後編。この2つの日本という国を語っている本は、一見すると前者が日本の経済を、後者が日本の歴史を説明しているようにみえるが、その2つの本はそれぞれが違った形で、現代を生きる我々日本人に、今後の日本をどうしていくのか?と疑問を投げかけている。

 

・戦後日本の成長

               戦後、日本は近代経済史上最大の幸運に恵まれ、高度経済成長を遂げた。敗戦国というレッテルに隠れ、国際社会の中での役割を放棄でき、経済成長に没頭できた。アメリカ株式会社の極東アジア子会社として存分に経済活動に勤しんだ。その結果、高度経済成長時代を含み、名実ともに先進国の仲間入りを果たす。そんな時代的、国際情勢的な利点と重なる形で、ここでもまた戦後、敗戦後という状況が日本を支えた。

一つは団塊世代を始めとする、人口ピラミッドの典型的な成長途上国の形。

もう一つは焼け野原となり、イチから工場を作れたという点。

 

前者は消費/生産両面で一番の活躍をする15歳から60歳までの生産年齢人口の爆発的な増加となり、内需、外需双方にとって経済成長を推し進める直接の要因となる。

後者の焼け野原からの再起という点は、その当時の最新鋭のメソッド、機械を導入し、他国に比べ高生産性を誇る工場を数多く設立出来たこと。すなわち、生産の絶対量と生産性を非常に高く設定できた。

 

・成長・継続の限界

               この非常に単純かつ幸運な状況が合ってこそ、今の日本は出来上がった。そして誰の目に見ても明らかなように既にその状況は日本のどこにも存在しない。つまり、今後の日本は今までの継続では成り立たないということである。

デフレの正体では、今後の日本が立ち行かなくなるという点に対して、こうすれば良いのでは無いかという提言が少しだけ書かれている。まずは、日本の産業の中心に観光業を置くこと。これにより外貨を稼ぎたくさんの雇用を生む。そのために必要なこととして、日本の良さ、日本が世界誇るべきものを再度認識し直して、整えていこうという。というものである。

 

・次の一手

なぜ観光業が今後の日本の経済を支える根幹になりえるのかという説明はここでは割愛し、日本の良さを再認識しマネタイズしていくという活動に、私はとても興味がある。同年代の人であれば誰もが考えたであろうどんな仕事をしていくか。という回答の一つになりうると思うのだ。古くからの考えに沿えば、定年まで勤め上げられる会社や廃れない技術や経験を積みたいと思うだろう。誰も食いっぱぐれたくなく、誰もリストラされたくないからだ。その前提に将来に世の中から必要とされるものを提供できる会社、業界、人はなんだろうと考える。その考え方の根幹は日本で、もしも死ぬまで生きていくとすれば、その社会はどんな変化を辿っていくのだろうか。という予測なしでは不可能である。要するに日本が今後、世界に向けて提供できる価値を見直そうということだ。

 

・勝負を捨てることが出来ない理由

話は少しそれるがデフレの正体の著者藻谷浩介氏は日本人にとって、日本という国は楽園だという。ロサンゼルスに住んでいる私にはとても納得できる。なぜなら、日本語が通じ、日本食が食べられ、安全で何よりも日本的な文化があるというのがどれだけ居心地が良いものか。。。これは私自身が日本を離れて強く実感したことである。だからといってロサンゼルスが悪い場所だと言っているわけでは無いし、実際にかなりの数の日本人は外国に在住しているのも事実である。ただし、日本がだめだから他の国で暮らそうという選択肢は限りなく現実性が低い。一番の理由は言語である。日本語を使える日本以外の国は存在しない。一方アメリカには多数の外国人が移住しているが、英語が共用後であるということが移住し易い一番の理由だろう。フィリピンやインド、もちろん英国やカナダ、オーストラリアなど、言語が同じということがどれほど移住のハードルを低くするか。それは沖縄に旅行に行くこととさして変わらない感覚であろう。

すなわち、今後人口の減少が続くと言われている日本であるが、日本という国に住み続けたい、日本という国が良いという顧客が1億人-8000万人程度は存在し続けるということである。ここで言いたいのは、過去を振り返り、未来を見た時、日本はもうだめだと言って日本を捨てられるかといえばその選択肢は現実的ではないということ。つまり、住んでいる人々みなで何かの策を考えていかなくてはいけないのだ。

 

・豊さを再定義

 ここまで、今の経済の枠組みの中で、日本が今後も経済的に潤ったままでいるためには何か、海外への売り物が必要だという話をしてきた。ただし、ここで根源的な問を一つ藻谷さんは挙げる。「本当に今のマネー資本主義の中での強者を目指すべきなのか?」つまり、現在、大多数の人に正しいと信じられているお金をたくさん効率よく稼ぐことが大切、という概念自体に疑いをかけたのである。これは藻谷さんの「里山資本主義」という本で詳しく語られている概念だが、おしなべていうと、幸せの定義を見直し、お金だけが全てでは無いということを再認識しよう。ということである。今までも何回も何百回も語られてきたであろう、お金だけが全てではない。という考え方。またか、と思ってしまうキーワードだが、里山資本主義の概念は、お金の代わりに自然を資本にして生きていこうという考え方である。例えば、電気、ガスをなくそうと言っているのではなく、電気、ガスを化石燃料ではなく、木材の廃材を使ってバイオマス発電で賄おうという試み。お金を出して食料を全て買わなくても、自分の土地で自分達が食べられる分の食料を持久していこうという試み。そうすることで、マンハッタンで発生した金融危機の影響に生活の全てを左右される不安を少しでも取り除けるのではないかという提案である。この考え方はデフレ脱却、日本の経済にさらなる発展を。というプロジェクトを必ずしも直接的に推し進めるものでは無いというのは明らかである。ただし、間接的に、日本人の精神的豊かさが増し、不安が少しでも取り除かれることで、過剰な保険や貯蓄が軽減され、回るべきお金が回り始める可能性もあるため、真っ向から貨幣経済に対立するものではない。

 

藻谷氏は決して、文明を放棄して自然に戻ろうというNGL(ハンターハンターより、分かる人のみ納得してください)的な生活を提案しているわけではなく、資産分散をしていきましょうという提案です。あまり考えにくいことであるが、日本円の価値が暴落する可能性も大いに有り得る。例えば、現在1ドル110円程度の為替相場が180円くらいまで円安に進むことも大いに考えられるであろう。

為替相場はその国の外貨を稼ぐ力を反映している。すなわち輸出産業、車や電機等が海外で売れなくなるに連れ日本円の通過価値は下がっていく。例えばスイス。スイスの最低賃金は2,500円である。これはスイスが海外に対して価値のあるもの、正確には付加価値の高いものを提供し続けている証拠である。観光はもちろんのこと、高級時計や金融サービスなど、他の国の人がスイスのものを高いお金を出して買いたいと思っているからこそスイスの物価は高い = 実質的な金融価値が高い。ということになる。

補足がながくなってしまったが、日本は高付加価値品を海外に提供し続けることなくして、今の日本の貨幣価値を維持し続けることは難しいということだ。

 

・今、自分にできること

ここからはこれらの情報を得た自分がどう動くかという自分のアクションプランである。いきなり現実的なことが書かれているので世界経済を語っていた今までとはだいぶ規模感が異なるわけであるが、実際自分という小さい個人ができることというのは限られているから致し方ない。

  1. 外貨で運用

→日本円の価値は下がり続ける。正常なインフレが起きていないこの国の通過を運用するというのは下りエレベータを上がろうとしていることに近い。下の2つのグラフは1980年から2017年までの年平均インフレ率とそのインフレ率により通貨価値がどのように変化したかを示している。f:id:djoo:20180105114700j:plainf:id:djoo:20180105114703j:plain

例えばアメリカのインフレ率は1980年時と比較して2017年には28%まで下がっている。これはどういうことかというと、その当時の1ドルというのは今では28セントの価値しか無いということ。

これだけの情報だと、なぜ外貨で運用する必要があるのかという話になる。なぜなら今1ドルを買っておいたとしても、将来的にはその1ドルはどんどん価値を下げていくということだからである。皆様に対しては釈迦に説法になってしまうが、これは逆にいうと、1980年当時、1ドルの価値があるものを持っていて、その価値が市場において変わらないと仮定した場合は、今は0.28の逆数、3.57倍の価値に跳ね上がっていることを示す。

一方で日本はどうだろう。同様の比較をした場合、100円の価値は68円にしか下がっていない。またある金融商品を保持し続けた場合の値上がりは1÷0.68=1.47。つまり、1980年当時に円建てで円の金融資産を保持した人は同様のUSD金融資産を保持した人と比較して2倍以上の差がついていることになる。

これは至極当たり前のことであり、日本にいると意識しない。なぜかというと、日本ではインフレが起こっていない=今のお金は将来もそのまま使える。という文化が醸成されているからである。

 

しかし、一方でもしも、1980年当時に円をドルに変えて、運用し、いま円を買い戻した場合は、そのインフレ率の差(=政策金利)の差を享受できる。いわゆる利ざやが抜けたことになる。

 

※もちろんインフレを起こしているということはそれ相応の金利がつく。下記は2007年から現在までの各国の政策金利を示したグラフであるが、日本は地をはっている赤いライン。一方米国もリーマンショックの影響でガクッと下がっているものの、日本よりも高いことがわかる。

 f:id:djoo:20180105114722j:plain

これらのデータが示すことは、

日本以外の通貨(特に先進国)、金融商品は常に上がり続けている。 → 資本主義経済の前提が守られている可能性が高い。

経済成長が停滞し続けている日本で運用するよりも、経済成長が停滞している日本以外に金融資産を持つことで、利率高く運用し、将来的には日本との利ざやを抜く形で利益を得る。

 

いきなり資産運用の話になってしまい恐縮であるが、我々個人ができる日本を離れずに日本の沈没から脱する方法としては、金融資産を円建てではなく、ドル建てで保持し運用するということが大事であると結論付けたわけである。

 

2.伝統的大企業からの脱出

話はガラッと変わり、仕事の話。私は伝統的な日本の大企業で働いていた。詳細は伏せるが将来、長い目で見たときにおそらく世界に価値を提供し続けられるような会社では無いことは明らかである。その終焉が10年後なのか50年後なのかは断定することは不可能であるが、明らかなのは成長していないという点である。

里山資本主義の観点から見ると、日本で日本人として人生を過ごそうと考えた場合には極力、日本円に頼らない生き方をしていきたい。円の価値が下がるなか、ドル建てでの運用と合わせて進めていきたいのが、将来的に認められるであろう日本の基幹産業をリードしていける経験と知見を持っておくことである。働く意義や生き方などの話に広げてしまうと収拾がつかなくなってしまうのでここでは控えるが、将来も活躍し続けたいと願うのは皆同じだろう。その時を見据えた転職。これが私のとった2つ目のアクションである。

 

■最後に■

 大変長い書評となってしまったが、これくらい色々と考えさせ、そして人生を大きく変えることを厭わないほどの決意を持たせてくれる、それくらい説得力のある本が下記3つの本である。

私自身のチャレンジがどういう方向に進み成功するか失敗するかはわからない。成功してほしいと願う一方で成功の定義自体も変わってくるだろうと思っている。

しかし、考えて行動する。このシンプルで重要かつとても難しいことに私がトライし続けられるのはこの本達に出会えたからである。

 

 

デフレの正体  経済は「人口の波」で動く (角川oneテーマ21)

デフレの正体 経済は「人口の波」で動く (角川oneテーマ21)

 

 

 

昭和史 戦後篇 1945-1989 (平凡社ライブラリー)

昭和史 戦後篇 1945-1989 (平凡社ライブラリー)

 

 

 

里山資本主義 日本経済は「安心の原理」で動く (角川oneテーマ21)

里山資本主義 日本経済は「安心の原理」で動く (角川oneテーマ21)

 

 

 

次の東芝? 神戸製鋼の不正で証明される日本製造業の限界

www.bloomberg.co.jp

 

まずは神戸製鋼の不正行為の概要をさらっとおさらいしてみます。

神戸製鋼は日本では中堅の鉄鋼メーカーです。

 

日本国内には新日鉄住金JFE等の巨大鉄鋼メーカーがおります。

世界を見てみるとアルセロール・ミタルポスコの様な超巨大企業がひしめいているわけです。

鉄はその昔は日本の製造業の原点として取り沙汰されていましたが、今や汎用的な鉄などはどこの国でも簡単につくれます。

 

中国企業が世界の約半分を生産していることからもわかる様に、安くて大量に必要とされる商品=すなわちコモディティ化している商品を作っているのが鉄鋼メーカーです。

 

さて、典型的なコモディティ型企業である神戸製鋼は冒頭で述べたように、中堅の鉄鋼メーカーです。

コモディティ型企業が直面する課題としては、大規模化する世界各国の企業と戦うために、自分も大企業連合に加わるか、付加価値の高い、自分たちにしか作れない商品を開発するかの二択です。

 

んで、神戸製鋼は後者を選びました。すなわち付加価値商品を作っていこうと決めたわけです。

 

KOBELCOというのは神戸製鋼多角化の中で進めた建機事業にて生まれた建機メーカーです。

 

これだけ見ると、なかなか優秀な経営をしているなぁ。と実は僕も新卒で就活をするときに、キャタピラ三菱やコマツなどと横並びで面接に挑戦するか悩んだ程です。

(今から考えると採用に進まずに本当に良かったと思います。)

 

--

さて、今回の不正はまさに神戸製鋼の稼ぎ頭である、アルミ・銅事業で行われました。

高付加価値=お客さんが信頼して高い金額を払ってくれる商品

で嘘をついて不正に商品を売りまくっていたわけですね。

 

例えばこれが赤字ギリギリの鉄鋼事業であれば、これを機に鉄鋼事業をたたみます!みたいな宣言をして、鉄鋼メーカーから高付加価値の特殊鋼メーカーに生まれ変わることもできたでしょう。

しかし、不正を犯してしまった事業部はまさに神戸製鋼の未来を背負って立つと期待されていた事業部でした。

 

まずはこの不正が日産の検査無資格者による検査などとは比較にならないほど重いことだという事を強調しておきます。

 

--

さて、この神戸製鋼の不正は私も度々ブログの中で主張している、日本製造業の限界を象徴しています。

djoo.hatenablog.com

 

別に神戸製鋼だけではなく、どこの日本的大企業も限界を迎えています。

 

限界。というのは、

・安くて高機能な商品を設計開発

・世界のニーズを組んだ先進商品の市場投入

・ホスピタリティあふれるアフターサービス

・何重にも繰り返される品質テストを突破した高品質商品の提供

・使えない部署を抱えながら

・使えないおじさんを雇いながら

・無駄なルールや慣習を守りながら

続けることです。

 

なので、神戸製鋼東芝の様なことはこれからもどんどんと起きていくわけですが、大事なことは、

・意義のある事業のみに投資をする選択

・不要なものを切り捨てる

ことです。

 

神戸製鋼の不正は神戸製鋼自身が発表した事にまずは大きな意味があります。

すなわちそれは、

もう限界っす。

という、世の中への敗北宣言であるということ。

 

次はどんな大きな会社が敗北宣言するのか非常に楽しみですね。

 

自分の会社が敗北宣言をする前にさっさと抜け出したほうが精神衛生上良いでしょうね。

おじさんの、おじさんによる、おじさんのための会社

ホリエモンがフジテレビを買収しようとした時に、「会社は誰のものか」という議論が活発になりました。

 

従業員のもの

株主のもの

社会のもの

 

一番シンプルな理屈で言うと、株主のものであると私は思っていました。

 

しかし!

実際に企業に入社して働いてみると

「株主のものに見せかけて、会社にいるおじさんのため」

に会社は運営されているんだなぁと最近は考えを変えています。

 

 

 

 

--

  • 1.雇用を守ることが大事

Microsoft を創業したビルゲイツwindows で儲けまくっていた時、市場で windows のソフトウェアに仕事を奪われた人が彼を批判したことがありました。

しかし彼が言ったのは windows を作るため、売るために創立された雇用の方が windows によって失われた雇用よりも大きい。

つまり労働者の総量は windows が発売された後の方が大きいと彼は反論しました。

 

要するに時代についていけなかった不要な人たちがただ切られただけだったわけです。

その至極当たり前の理屈はその当時の大衆にも受け入れられ、今ではパソコン自体を批判する人など全くいません

 

--

この様な理屈で考えると大企業が存在意義として高々に訴えている雇用の創出と言うのはとても意義のあることです。

しかし日本の大企業が行っているのは、雇用の創出ではなく雇用の維持です。

雇用の維持と言うのは、今まで雇い入れた人達の首を切らないこと。

もしもその人が企業の利益に1円も貢献していない不要な人だとしても、給料を払い続けるために会社を維持すること。

これが雇用の維持です。

 

いわゆる窓際族とか相談役とか顧問とか全く仕事をしていない様なおじさん達を高給で雇い続ける。

 

前者ビルゲイツがやった様に時代を先取りし本当に人々から受け入れられる便利なものを開発販売し、世の中を豊かにしていくその過程で構造調整が起こる。これは雇用の創出の良例だと思います。

一方でいつまでたってもパソコンを使えない様なおじさん達に年収1000万2000万払って上の機嫌ばかり伺わせる仕事をさせている日本の大企業は本当に世の中に価値の有ることをしているでしょうか?

 

  • 2. 総花的な経営が良しとされる

一つ目と重なりますが、雇用を守ることと同時におじさん達のプライドも守らなければいけないのが今の大企業。

50歳60歳になっても役職がないと言う人はあってはならない。

 

そしてその上の人たちもそういうことがない様にさらにその上の人達にケアされてきていました。

どこの部門のどこの部署のどこの部のどこの科の人もその年齢に見合ったひとっぽく他の人に見られるように会社は頑張っています。

部長代行とか子会社に役職をいっぱい作ったりとか、そういったことをやってどうにかあぶれている不要な人たちの役職を作るんです。その人のプライドを傷つけないように気をつけます。

 

この結果どうなるかと言うと本当に力がある人力と力がない人の差は認識されず、若年層も会社の利益を1円でも上げるために頑張る必要なんてないと合理的に判断するのです。

そんなことよりも上の人たちに嫌われないことが大事。

そういう風に大企業は運営されています。

 

もう一つ大事なことは関係会社またはパートナーそういった人たちとの今まで築き上げてきたネットワークや既得権益を守ることです。

今まで頑張ってきたおじさん連合にご褒美を与えなければいけません。

日本の大企業は結局のところ、将来給料をあげるから若いときはとにかく頑張れ。という暗黙の了解の上に成り立っています。

だから、若い時にがむしゃらに働かせた今のおじさんたちに報いなければいけない。

それは今まで一緒に頑張ってきたおじさん世代の共通の認識ですし、彼らには仲間意識がある。

だから、大企業からなる子会社や関連会社連合はかなり真剣に不要な事業を存続させることを頑張っています。

古い技術、誰も見向きもしない様な商品サービスであったとしても、どうにかそれを守らなければいけない。

なぜならそれを今まで育ててきて今でもそのために働いているおじさんがたくさんいるから。

 

 

不幸なのはそのおじさんの下で働いている若い人たち

絶対に不要だとわかっているものを、おじさんの下に配属されたがために一生懸命売らなくてはいけない。

要するにおじさん達のために必要のないものを社会に対して売っているのです。

 

  • 4.定年までは。。。

最後に日本にある定年制度と言うのもこのおじさんたちのにとってとても大事な制度です。

今50歳のおじさんはあと15年会社が存続してくれればとりあえず ok。

自分の給料、退職金が大事。これ、おじさんでなくても誰でも当たり前ですよね。

 

もちろん企業年金の額とかそういったものは将来の企業の業績に大きくよるわけですが、おじさんは今の自分を守ることしかやったことがない人たちなので、そんな先のことを変えるなんてそんな考え微塵もありません。

 

これは別に部長と課長の中間管理職だけでなく、社長もそう思っている。

だから10年20年後を見る必要なんてないんです。それっぽいことを決算報告では発表しますが、ツッコミどころ満載だったり、他社と足並みを揃えた報告ばかりが目につくのはこういうこと。言うのは簡単だけどやってみろよ。と社長はいいたいのでしょうが、一番やるのが大変なのは人事系の部分なんです。

 

自分がいる時だけとりあえず潰さないそれが一番大事。

東芝で起きているのがまさにそれ。

粉飾決算の原因となっている売上の低下というのは、10年20年前の経営者がやったことの結果です。

その責任は今の経営者が取らなきゃいけない。

まさに日本の社会保障制度と同じ様におじさんおばさんのために若い人たちが全てそのツケを払う。見て見ぬふりをするということは将来的に全て若い人たちの負担になる。

 

  • 5.残念ながら会社の体質は変わらない。変えられない。

上にあげたことなんて大企業で働いている人はほぼ全員わかっているはずです。

しかし変わらない。いや、誰も変えられないんです。

 

基本的には社長以下経営陣がその会社の人事権を持っていて方針を決定していきます。

しかし、その社長は一個上の社長に選ばれているわけです。ここが民主主義と大きく違うところです。

民主主義の場合は首長市民県民によって投票で選ばれます。

しかし、自分で自分の会社の社長を選べないので、社長に物を申すのは不可能です。

株主の声を大きく反映することができれば少しは開いた会社の経営ができるはずですが、企業秘密等の理由で完全にオープンにすることはできません。

 

つまり一言で言うとどうしようもない(笑)

大企業は大企業のまま死んでゆくんです。

 

もしも東芝の経営陣を刷新して、会社を立て直すという方針をとったら、それは大したものです。

しかしそれはなさそうに見えます。

 

半導体事業の売却だけでも半年以上決定できない、医療事業出身の社長にそんな判断は簡単にできない。

ましてや東芝を再生させるために再生してくれそうな経営者を海外から呼んでくるのも難しいでしょう。

 

東芝の振り見て我がふり直せ、大企業」

 

まあ、無理でしょうけど。

 

  • --結論--

若い方々、そんな会社はすぐやめましょう。

我々には退職という切り札があります。

 

理屈で考えればわかることですが、そんな会社に長くいて、自分達がおじさんになった時にその仕組みが続いているとは到底思えませんよね?自分が定年まで大丈夫そうならそこに居続ける価値はあると思いますが、次の東芝になる可能性はとても高い。

 

長年同じことをし続けている会社は結構危ない。

考え方が凝り固まっていて、自分から東芝状態の回避に走るのは難しい。

 

例えばソニーがいつまでも人気企業であるのはそういう古い大企業的な考え方が比較的少ないと思われているからです。

例えば今の社長、平井さんはもともとソニーミュージックと言う子会社の社員でした。

子会社の社員を親会社の社長にする、そういった人事を日本の伝統的大企業がやりますか??

批判ばかりされていましたが、過去にはアメリカメディア出身のハワードさんを呼んでソニーの経営を立て直そうとしました。

 

ソニーが優秀なのは社長を選ぶ考え方が市場に近く合理的なところです。

武田薬品工業のウェバーさんも海外から呼ばれて、ポンッとCEOになってますね。

 

--

こういった話を続けていくと最終的には志の高い経営者や企業理念が大事となります。

社長が、自分がいた間に少しでも会社を良くしたい 後世に残る様な業績を残したい。そういう風に考えている社長かどうかが大事ではないでしょうか。

 

志高く社会に対して何か自分が良いもの残したいそう強く考えている下の人の下で働いていた方がきっとストレスフリーに楽しく仕事ができるんではないでしょうか。

 

おじさんたちのために頑張っている若い方々、本気で考えないとあと10年もしたらあなたの市場価値はなくなります。あなたの隣にいるおじさんのように。

 

その前に飛び出すことをお勧めします。

日本とアメリカのミーティング資料の違いから推察する、日本人経営者の経営センス

アメリカと日本ではミーティングの進め方というか目的が違うように感じます。

 

そのミーティングのあり方の違いから両国の経営者の経営的なセンスの有無を推察してみます。

 

--

日本企業でのミーティングの目的は

1.情報共有

2.分析結果共有

 

が主なものであるような気がします。

 

問題解決のためのディスカッションやアイディアの出し合いがアメリカ的なミーティングの目的であることと大分異なるようです。

 

--

日本は反省や恥の文化が企業にも染み付いています。

 

失敗をしたら周囲に対して恥ずかしい、申し訳ないという気持ちでいっぱいになります。

上司に迷惑をかけた。上司はそのまた上の上司に迷惑をかけた。。。。

 

こういったループがあるので、絶対に失敗は許されない。というような企業文化を持っている会社も多いでしょう。

とりわけ、挑戦よりも現状維持を重んじるような大きな伝統的企業ではその色味は強くなるはず。

 

余計なことするな。的な発想ですね。

 

--

分析的なミーティングにも価値はもちろんあります。

 

プロジェクトの日程が遅れたら、どれくらい遅れ、原因は何なのかを事細かに説明する。偉い人が参加する公式なミーティング = 情報共有 の場なので、ドキュメントも凝りに凝っています。

5枚程度の本スライドの裏に、膨大な数の補足スライドを準備し、何を聞かれても滞りなく答えられるようにしています。

ミーティングのための、ミーティングも数々開催され、レビューや資料の修正はもちろん、事前に役員のプロジェクトに対する心象なども余念なくチェックしておきます。

 

そうすることで、ミーティングを滞りなく済ませるのです。

 

その目的はただ一つ。

役員に悪い印象を与えないためです。

 

これらのことに膨大な時間をかけたからと言って、根本的にプロジェクトの進捗が加速することはありませんし、増してや企業の利益は1円も増やしません。

というか、高給サラリーマンの給料のみが積み上がるため、経費ばかりかかる赤字の仕事です。

 

 

しかし、伝統的日本の大企業ではこれはとても大事なことです。

 

なぜかというと、役員に気に入られなければ自分の出世などありえません。

部長、室長、課長、それぞれの評価基準は、こいつを上に上げたいと上に思ってもらえるかどうか。これのみ。

やりにくかったり、考え方が合わなければ、決して自分の部下として引っ張ることはありえない。

 

何度もいいますが、日本の優秀なサラリーマンはこういう事にとことん長けているひとが沢山います。

 

--

さて、うえで、少し触れましたが、プロジェクトを成功させるためには、できれば、状況説明や原因分析ではなく、これからどうするの?という話を集中して詰めていきたいところです。

 

もちろん、分析の結果を反映した、既定路線のアクションプランは存在しますが、そのアクションプランもプロジェクトに効果的であるというよりは、役員に好印象な方が大事です。

 

こういった構図で開催されるミーティングで、あいつは良い!と言われるひとがドンドンと上に上がっていきます。

 

そしていずれは役員や社長になるんですね。

日本企業で生きているサラリーマンの鏡のような出世が待っているわけです。

 

--

さて、話は変わって、経営者に求められるものはなんでしょうか?

経営者は株主や社会に対してちゃんと会社を経営するということを求められています。

 

[ちゃんと]、というのは、今期、四半期の業績だけではなく、将来、十年とか二十年先を見越した将来の成長分野への種まきも含まれます。

 

--

しかし、経営者各人は、もともと優秀だった平サラリーマンであるわけです。

彼らの得意技は[上のひとに好感を持ってもらう資料作りや方針提示]です。

 

しかし、経営者となった今、彼らの上の人はもういません。

社会に対して価値を提供することが彼らの仕事になりました。

 

(一体、誰の顔色や好みを伺えば良いんだ。。。。)

そんな風に不安になるのも無理はありません。

残念ながら今まで彼らはそういった考え方で仕事をしてきませんでしたので。

 

こりゃ参りましたね。

 

彼らは社長になって、お金と肩書を手に入れ、ハイヤーとかファーストクラスとかで移動して、会社の金でゴルフしたり美味しいものを食べるのが目標だったので、まさか社長として未来の世界にどうやって価値を提供していく会社にするか、なんて考えていませんでしたもの。

 

でも安心してください。

あなたを社長にした、今の会長も、その上の名誉会長も、その上の顧問もみんなそんなもんです。

あなただけが社長不適格者なのではなく、みんな不適格者だったのです。でも、今までなんとかやってきました。

 

だって日本にはものづくりの技術やおもてなしの精神、勤勉で豊富な労働力があるんですから!!

(と言われ続けた20年間に日本の総GDPは大きくなっていなくて、SANYOとシャープとJAL東電が経営破産し、東芝が瀕死で、トヨタは水素を愛でていました。)

 

万が一会社が傾いても安心してください。

国や銀行が大きな会社は潰しません!

もし潰れても、あなたはちゃんと退職金や企業年金をもらって生活できます!

 

そんなことよりも、今までと違うことに挑戦して失敗し、社長をクビになるのだけは避けないと!せっかく今まで40年間も頑張ってきたんですから。

 

今までと一緒。

他社と一緒。

自分の任期中に業績を大きく下落させない。

これだけを考えましょう。

 

10年後に会社がどうなっていようと知ったこっちゃないですね!!!

 

--

 

と、僕は日本企業の日本人社長にこんなひとが一人や二人、もしかしたらもっとたくさんいるのではないかと推察するのでした。

 

djoo.hatenablog.com

 

djoo.hatenablog.com

投資 僕が日産の株を大量に購入した理由

www.nikkei.com

 

カルロス・ゴーン社長率いるルノー日産グループがEV会社への転換を大々的に発表しました。

 

これによって日産の株価も少し上昇。

日産株をそれなりに持っている僕としては嬉しい事です。

 

--

さて、皆さんよくご存知のように今、自動車業界は大きな大きな変革の真っ只中にあります。

 

日経新聞の記事でもわかりやすく説明されていますが、エンジンから電気へ動力が移り変わることを始めとして、運転手のいらない車、インターネットとつながっている車、自家用車からシェアする車。

 

要するに今までの企画設計の概念では太刀打ちできない。

 

日本にはトヨタ自動車という国家とも言っても過言ではないような馬鹿でかい会社があります。

 

本文では投資対象として日系の自動車会社を比較した時に、なぜトヨタではなく日産なのか?という点を書きます。

 

引っ張ってもしょうがないので結論から書きますが、既得権益や参入障壁にどれほどのこだわりがあるか。という点が一番大事です。

 

トヨタはつい数年前まで、水素社会が来るということを本気で信じていたようです。

いや、本気で信じているようにアピールすることで世の中をそっちに引っ張りたかったようです。

 

水素で走る自動車の環境性能とかその辺の話はおいておいて、この発表を見た時に、ああ、トヨタだめだな。と思いました。

 

なんでかって、水素自動車をトヨタが作りたい理由が、まさに既得権益を守るため、そして天下を取り続けるための参入障壁を作るためだと世界に発信してしまったからです。

 

この発表を見た全世界の人や企業は、トヨタトヨタ一グループで頑張ってね。もう、あそことはかかわらないほうがいいね。と思ってしまったでしょう。

 

そう思わせてしまったことでトヨタは既に負け戦に一歩前進。

 

日経新聞の記事でも触れられていますが、今の自動車産業を引っ張っているのはトヨタでもVWでもGMでもない。

Googleやテスラ、あとは今は名もない中国企業なんです。

 

彼らがこれからの王者になっていくのに、パートナー、または下請け会社になるべく車両提供会社の一つであるトヨタがあんなに協力的でなく、古い考え方であると発表してしまったら、そりゃもう誰も声をかけてきません。

 

トヨタの偉い人は、トヨタが水素と言ったら世界中が水素になるんだ。と裸の王様のような考え方だったのでしょうね。

これからの自動車産業をひっぱるつもりでもあったのでしょう。とんだ勘違いです。

 

例えば、PCの製造業界を見てみます。

今の時代、どうしても富士通のFMVがいい、とかNECバザールでござーるがいい。っていう人なんていないでしょう。

 

それよりも僕らはなにでPCを選ぶかという、

・OS

・CPU

・メモリ

・画面のサイズ

まあこんなところです。

希望のスペックを満たしていれば、あとは価格勝負。

 

一部の人は、Mac Bookのようなデザインを重視するという人もいるでしょうが、大半の人にとっては安くてそれなりに使えればそれでいいんです。

 

あとは、ネットに繋いでそれらのコンテンツを楽しむ。

 

Amazonで買い物したり、Google MapやGmailを見たり。

だからそれらにアクセスするハードの最終組立メーカーなんてはっきり言ってどうでもいい。

 

自動車もこれと同じことが起きているのに、トヨタは未だにそれに気づいていないのか、気づいているけど手遅れなのか、それとも意味の分からない誇りがあるのかわからないけど全くその姿勢を見せない。

 

これからの車で見られるスペックは、

・サイズ

・自動運転のOS

・価格

・モーターの種類と製造メーカー

これがメイン。

 

一部のコアな車ファンはMac Bookのようなデザインが優れている車を買うでしょう。

でも、世界中の誰もがトヨタのデザインが一番!なんて思っていません。

欧州の老舗ブランドメーカーにはブランド力もデザインは完敗。

せいぜいLEXUSブランドの一部車種で対抗できるかな?程度ですね。

 

トヨタというブランドが高級路線のアップルのようにはなれないのは自明。

なので、PC業界でいうと、HPとかIBMみたいにならないとね。本当は。IBMLENOVO中国企業にパソコン部門を売ってしまったから、むか~しから残っていてまだまだ頑張ってるのはHPくらいか。

DELLは比較的新しいし、今は殆どがASUSとかACERとか台湾企業ですもんね、PC組み立てって。

 

--

日産はこれらのことをよくわかっている。

それはカルロス・ゴーンが日産に対してただの日本のハード供給会社というとてもいい意味でドライな考えを持っている人だから。

別に日産でも三菱でもルノーでもなんでもいいけど、人やものを効率よく安全に運ぶ、というサービスを提供するために何をしなくてはいけないのかを常に考えている。

 

彼にはトヨタが持っているような既得権益最高!

完成車メーカーが一番えらい!

みたいな考え方はありません。

 

時代に合わせて、自分が世の中に提供したい価値を、最適なリソースで実現してやろうという意気込みと覚悟を感じます。

 

カルロス・ゴーンなら日本の日産関連の下請けをバッサバッサと切っていけるでしょう。

 

参入障壁の本当の意味をよく理解しているはずなので、技術的に難しいものを作るのではなく、新しい自動車産業の王者たちとの友好なパートナーシップを築くとともに、車両供給下請け会社として輝くためには何を真の参入障壁と考えるべきかわかっている。

記事の中では規模のメリットを活かす。と断言されていますね。

 

アメリカから輸入した車をせっせと分解して効率よく品質良く作り始めることで始まった日本自動車産業の栄光は2018年からは政治経済ではなく日本史で勉強する話になります。

 

--

今までの自分達の栄光をあっさりと否定し、今、真に世の中に必要とされているものを真摯に提供しようとする姿。

そして姿勢が将来のトヨタと日産の業績を大きく左右することになります。

 

トヨタが今後EVに本格参入するとしてもトヨタ一社じゃ何もできないことは明らかです。

どうやってパートナーシップを作っていくか。これが大事。

 

でも、水素社会!とか本気で信じていた、トヨタのトップ陣が、創業十数年のアメリカの新興企業に頭を下げて、うちの車両を使ってください。なんてできるんでしょうかね。

 

鉄は国家なり。

 

とか言ってた元国営会社みたいに、みるみる存在感がなくなっていく気がしてなりません。

 

頑張れ!トヨタ関連のエンジンまわりの技術者の皆さん!

逃げ出すなら早いうちに!

 

djoo.hatenablog.com